こんにちは。みたっくす(@book_life_net)です!
12月の前半に金沢に行きましたので、その旅行記を綴っていきます。
金沢には何度か行っていますが、冬が近づくこの時期ははじめてということで北陸地方ならではの冷たさ、そして、天気の変わり方など独特のものを感じる時間でした。
旅行の目的地は福井だったのですが、その道すがら金沢を一泊くらいは楽しもうということで見て回ったところを書いていきます。
金沢で連想すること
21世紀美術館や冬の風物詩である兼六園といった名所を連想する方が多いのではないでしょうか。
私の場合、加賀藩といえば加賀百万石と言われていたようにお金持ちの藩だったことを連想してしまいます。
そうした場所には文化も栄えていたに違いない。だから、金沢の三太郎と呼ばれた思想家や泉鏡花、徳田秋聲といった著名な作家が多く誕生したのではないか?そんな思いがありました。
また東京や大阪・京都から今の時代でも微妙に離れた地理的環境が、文化に与えた影響を与えていたのではないかと妄想は膨らむばかり。
今回は、この地で生まれた思想家や文豪をできる限りトレースすることを目的に散策してきました。
鈴木大拙館
「近代日本最大の仏教学者」と呼ばれる鈴木大拙氏。
日本の禅文化を含む東洋思想を海外に広くしらしめた仏教学者です。
生誕の地の近くに建てられた鈴木大拙館は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の新館を始め、GINZA SIX、葛西臨海水族園でもお馴染みの建築家 谷口吉生氏による設計で建てられました。
実は訪れるのは3度目です。
今回は、晩年のインタビュー映像を見て、穏やかでユーモアのある人柄を知った上で訪れたこともあり、これまでとは違った時間を過ごすことができました。※映像は、もしかしたら今でもyoutubeで見れるかもしれません。
静寂な雰囲気に囲まれた空間で、思わず時間を忘れてしまいます。いや、もはや忘れるために自然と訪れてしまったのかもしれない。
建物の空間性や鈴木大拙氏の思想に触れることで、自分と向き合う時間を自然と与えてくれます。一人旅で考えにふけるには最適な場所です。
鈴木大拙氏を知らなくても建築物としても魅力がありますし、本館の周り一帯を探索すればこの場所に建てられた意味をきっと感じることができるでしょう。
事前に学んでからいきたい方には、「日本的霊性」を始め、数多くの本を出版されているので、何冊か目を通すのも良いかもしれません。
繰り返しになってしまいますが、映像でお話されているところを見てから訪れるのも良いでしょう。
ちなみに場所は21世紀美術館からも近く、歩いて5-10分の距離です。まだ認知度が低いのか、人は少なめでした。だから今のうちがとってもオススメです。
さらに詳しく
石川四高記念文化交流館
今回の旅の1番の発見は、この石川四高記念文化交流館に行けたことかもしれないです。
旧制高等学校(中学校)として使用された歴史的建物であり、タイムスリップして学都金沢を代表する4高生の活躍の歴史をたどれる場所です。
四高の卒業者はほぼ今でいう東大に行けていたいう説明から始まります。
優秀な人が人を呼び、人を育てるということを教えてくれる場所でした。魅力的な人がいれば、自ずとその周りに面白い人が集まっている。こういう仕掛けができる街づくりが、これから求められていくのではないかとまさに歴史が証明しているようでした。
有料エリアの石川近代文学館では、石川県を代表する三文豪(鏡花・秋聲・犀星) の同時代性や相互の関わり、三文豪から広がる文学ネットワークが紹介されていて、石川県を中心に広がる視点が新鮮に感じました。
教科書的にはその時代の勝者など代表的な人の視点で説明されていますが、別の視点や立場からも見ることで、歴史を多面的に見ることができるので、こうした展示はとても学びのあるものでした。
ちなみに鈴木大拙館よりもさらに人気なくほぼ貸切でした。被写体として建造物の写真を撮るのも楽しく、全く同じアングルで階段を撮ろうとしてニ度ほどぶつかった方との出会いも今では良い思い出です。
さらに詳しく
九谷焼
石川を代表する焼き物の九谷焼。
実は旅行の前にお茶碗を割ってしまったこともあり、go toクーポンは九谷焼のお茶碗に使いたいと考えていました。そこで今回行ったお店はこちら
八百萬本舗(やおよろずほんぽ)
可愛い?焼き物がたくさんある他、ワークショップで自分でも作れるお店です。
以前にも来たことあり、その際はこちらのマグカップを購入しました。
毎度のことながらお茶碗以外に目移りして大変でしたが、何とか我慢してお茶碗をゲット!
後日郵送になりますが、名前もいれることができるという事でお願いしました。
まだ届いていないのですが、雰囲気はこんな感じのお茶碗です。
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
九谷焼は、五彩の「赤・黄・青(緑)・群青・紫」の色鮮やかな上絵付けを活かした華美な焼き物もあれば、購入したように遊びのあるデザインのものも多くあり、「焼き物」を身近に感じさせてくれます。
伝統工芸と言われると敷居が上がりがちですが、特に詳しいことを知らなくても九谷焼は見たまんまで選んで、楽しめる焼き物だと思っているので、いろんな九谷焼を見て回ると中々飽きません。
今回は時間がなくてできなかったけど、次回訪れた際は、自ら絵付けしたお皿を作ってみようと思います。
さらに詳しく
まとめ
今回紹介した場所には、金沢駅からバスを使わず歩いて行きました。
他の有名なエリアにひがし茶屋街がありますが、こちらも歩いていけない距離ではありません。
金沢は、新幹線開通に合わせて駅前を中心に景色は変わっていきました。一方で変わらない場所も当然あります。そうしたところは歩いていく中でグラデーションのように分かるところもあれば、不自然に突如変わるような場所もあったりします。そうした変化は歩いてみないとわかりにくいものです。
ということで、コンパクトに観光エリアがまとまっている金沢ですので、王道の観光地を巡る際は、ゆっくりと歩きながら散策しながらいくのも良いのではないでしょうか。
旅行記はまだまだ続きます、次回は福井県の里山風景を紹介します。
旅中に買った本「高野聖」
石川四高記念文化交流館で触発されました。代表的な作品とは聞いていましたが、読んでなかったので楽しみです。