こんにちは。みたっくす(@book_life_net)です!
鳥取を拠点に世界へ向けて現代書の魅力を発信し続ける書家、柴山 抱海さん。
お弟子さんの知り合いに紹介いただき、6月18日~23日の間、都内で書展が開催されているということで観に行きました。
「聞」を書く
と名付けたれたその書展は、「聞」の1文字が書かれた作品だけが飾られているユニークな内容でした。
「聞」という文字の迫力に圧倒されることもあれば、どこかホッとした気持ちにもなりました。
筆で書かれた「聞」の文字は、太い線、細い線、そして、うねり、ときには模様のように滲み出ていたりといくつもの表情をみせてくれます。それはまるで人の表情のようで、鑑賞するほど「聞く人の心」を表しているように感じました。
そもそも「聞」にはどのような意味を持っているのかが気になり、おもわず広辞苑で「聞」を調べてみました。
これまで人は、①の意味として、きっと物理的な耳に聞こえてくるものを聞として生活をしてきたのだと思います。それが今の時代では、耳で聞く以上に嘘か真かわからないうわさや評判をどうにかして聞こうと進化してしまい、耳という身体で聞き、身体で感じるような事が少なくなっているのかもしれません。
ふと、まわりの「聞≒うわさ、評判」を意識しすぎて悩んでいる人たちのことを、「聞」の作品を通して思い出してしまいました。
帰り際、スタッフの方から気になった作品の前に立った写真を撮らせて欲しいとお願いをされました。その時、咄嗟に選んだのは、「聞」がたくさん額に収められ作品です。
もっとしっかりと聞ききなさい。そんなことを言われているのかもしれません。
著名な書家による「書」を見に行ったつもりが、「聞」のことばかりで「書」のことを考えることができないまま会場を後にしました。ですが、それこそが書家による文字の力であり、魅力なのかもしれません。
柴山 抱海さんによる「聞」を書く書展は、 2022年6月23日(木)までですが、いろんなテーマの書展が、鳥取を中心に定期的に開催されていると聞きます。気になる方は「柴山 抱海(ほうかい)」で検索して、チェックしてみてはいかがでしょうか。
柴山抱海氏が意匠を担当した日本酒もありますので、日本酒好きな方は合わせて楽しめるこちらもおすすめです。