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映画『マイ・ブックショップ』 本屋を舞台に繰り広げられる心揺さぶる物語

2021年6月13日

マイ・ブックショップ

こんにちは、みたっくすです。

booklife(ブックライフ)では、「本のある生活」を目指して、本と触れ合うきっかけや本のある楽しい日常を発信しています。

本が好きな人にとって、いつかは本屋を始めたいと思う気持ちは誰もが抱いていることの一つではないでしょうか。

『マイ・ブックショップ』の舞台は、1959年英国の本屋のない海辺の小さな町です。
そこに初めての本屋を開くのが主人公フローレンスの夢であり、精力的に準備を進めていくというところから物語は進んでいきます。

町に本屋ができたことに住人たちは喜んで・・・という話を想像してしまいますが、時代背景も含め、女性が事業することにやさしくなく、住人や権力者たちの反対の声などその壮絶なまでの嫌がらせや裏切りは、人が持つ闇の部分を垣間見ていくことになります。

さらに本屋を経営することの難しさも教えてくれます。

売れるかどうかわからない「とある本」を大量に仕入れるかどうか悩むシーンでは、信頼できる方に助言を求めます。最終的には、「難解で理解できなくてもこの本は住人は読む必要がある」と決意し、仕入れを始めます。

「売れるから仕入れるのではない、自分で売るんだ」という意思を感じますし、本屋に必要なのはそうした「売るんだ」という姿勢なのではという気づきを教えてくれます。

「良質な本は、間違いなく人々の必需品」とフローレンスは本のことを表現します。

さらに信頼している人に向かって「生きてる限り、希望はある」とドン・キホーテの一節を用いて表現します。どんな困難な状況にあっても、解決策は必ずある。救いのない運命というものはない強いメッセージを感じずにはいられませんでした。

こうした本に対する確かな信念と本から得た数多くの言葉があるからこそ、彼女は勇気を持って、困難に立ち向かうことができているのかもしれません。

さて、作中には本好きな人たちの気持ちを掴むようなシーンも盛り込まれています。
登場人物の一人が、レイ・ブラッドベリの本をもっと持ってきてくれ!と言うシーンでは、早く読みたくて仕方がない気持ちが表れていて、老人役でありますが、まるで子供のような表情を見せてくれます。

その他、作中には歴史を代表する文学作品も登場します。きっと『マイ・ブックショップ』の監督イザベル・コイシェも意図もなしにそうして作品を出している訳はないはずですから登場する本と作品との関係性を考えてみてみるとより作品が深く理解できるのではないでしょうか。

監督のイザベル・コイシェは、昨今の活字離れの状況に対し、インタビューで次のように答えています。

危機でもあるけれど、非常に愚かな状況でもあると感じているわ。だって、本を読むということは、自分のなかにある建設的な批評家精神を養う方法でもあり、世界の見方を教えてくれるものなのよ。

だからこそ、私にとっても本はとても重要な存在であり続けているし、ときには孤独や愚かさというものに対する薬の役割も果たしてくれていると思うわ。

作中でフローレンスは、「書店には孤独など存在しない」と話していますが、この発言にはイザベル・コイシェ自身の考えも含まれているかも知れません。

ちなみにそんな彼女は、ネットで本を買うのが大嫌いといい、今回の『マイ・ブックショップ』の原作との出会いもロンドンの古本屋だったといいます。

偶然の出会いを与えてくれる本屋の存在、そして、本という存在についてもう一度、我々は考え直してみてもいいのかもしれません。

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2019年3月に公開されてから2年以上が過ぎていることもあり、Amazon Prime Videoを始め、動画配信サイトを通じて観ることができます。
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