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ブックアートの世界に触れて、本の未来の可能性を感じる

2021年6月19日

ブックアート

みたっくす

こんにちは。みたっくす(@book_life_net)です!

booklife(ブックライフ)では、「本のある生活」を目指して、本と触れ合うきっかけや本のある楽しい日常を発信しています。

うらわ美術館で行われている展覧会「クロス・ポイント――本のアートをめぐって」を観にいきました。

きっかけは、芸術新潮2021年2月号です。

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「ブックガイド2021 愛でたい読書 あの人がえらんだ、必読本150冊」という特集の中で、「Book or Art 本と美術が出会うところ」という企画が約6ページほど組まれていました。

そこで紹介されているブックアートの世界に興味を持ち、詳しく調べているとうらわ美術館にて「本をめぐるアート」というテーマの展覧会をしていることを知り、今回鑑賞してきたという流れです。

今回の記事では、実際に観てきた展覧会の内容と併せてブックアートについて紹介していきます。

ブックアートについて

ブックアートとはどういうものを指すのでしょうか。

調べても明確な定義がされているわけではなさそうで、活動している方のコメントや文献などからは以下のように表現されていることが多いように見受けます。

ブックアートは、テキストや編集、印刷、製本なと本が持つ様々な要素をアートとして昇華したもの。

もう少し補足をすると、特定の文章を読んでもらうなどテキストやビジュアルを読者に伝えることを目的にしている本とは異なり、自由な発想やテーマ、 表現方法をもとに作られるアート作品のことです。

ブック・アーティストの太田泰友氏は、「まずコンセプトがあって、それを本が持つ色々な要素を使って表現することが重要」とインタビューで答えています。

太田氏の作品は、youtubeで公開されていますので、是非参考に見てみてください。映像を通じて太田氏の話していることを感じ取れるのではないかと思います。

フランツ・シューベルトの歌曲『鱒』の詩を題材としたブックアート作品

ミシェル・セール『アトラス』の一節、「家の中には多数の適切な距離が存在する」を起点に制作したブックアート作品

クロス・ポイント――本のアートをめぐって

うらわ美術館

うらわ美術館 クロス・ポイント――本のアートをめぐって

今回のうらわ美術館の展覧会では、小野耕石氏、田中ルミ氏、山田愛子氏の3人のアーティスト作品が紹介されていました。作品展数は、計16点です。

美術館のルールで、写真撮影は1枚のみOKということでしたので、一番印象的な作品を写真に収めました。

その作品は、山田愛子氏の 《眠らない本シリーズ「発芽を待ちつづける種子・たんぽぽ」》 2010年です。(ちなみに記事の最初の写真は、一緒に行った友人から頂きました。)

ブックアート

たんぽぽの種子が本のページに規則正しく縦横並んでいる状態です。またよく見るとわかるのですが、綿毛がついているので綿毛がまるで薄いページのように見えなくもありません。

タイトルの《眠らない本シリーズ》が示すとおり、この状態を見たら決してこの本を閉じることができません。

どのように感じるかは人それぞれでもあり、アーティストの山田愛子氏がどのような思いでこちらを作ったのかはわかりませんが、人が眠らないのではなく、本が眠らないという発想や、本を読むと眠くなるという人への逆転のメッセージのようにも受け取ることができるなど、いろんな想像力を掻き立てられる作品ではないでしょうか。

また「本が持つ色々な要素を使って表現する」というブックアートとは、まさにこういう作品のことを意味しているのかなと納得できるものでした。

当然、「発芽を待ちつづける種子・たんぽぽ」以外にも作品があり、展示作品全体を通して伝わるメッセージもありますので、是非、足を運んでもらいたい展覧会です。

ただし、会期は令和3年4月17 日(土曜日)~6月20日(日曜日)となりますので、終了後は、次の展示まで待つことになりそうです。

ブックアートが示す本の未来

「本」は知識を得るためのものと思われているかもしれません。

一方で、本を読むことで、心が豊かになったり、幸せな気持ちになったりと知識以外のことを得る経験を求めて読む人も多いのではないでしょうか。

そして、それこそがまさにアートが得意としているところのように思われます。

これまで本が持っていた特定の文章を読んでもらうという役割が、電子書籍へと置き換わりつつある中、紙の本は違った価値や意味というものを考えるときが来ているのかもしれません。

今回観たブックアートは、そんな本の未来の可能性を感じる展示でした。

もちろん今まで通りの「本」というものを作る人はいなくなることはないでしょう。ただその「本」というものの役割や形は今までとは異なり、読む以外の体験を与えてくれるものがますます増えていくのかもしれません。

そこはまだまだ未開拓な場所だからこそ、誰もがアーティストになれる可能性がありそうです。

一方でブックアートについては、まだまだ国内で観る機会も取り組んでいる方も少ないと言われています。そうした中でも、うらわ美術館は「本をめぐるアート」を作品収集の柱のひとつとして活動しており、そのコレクションは現在1,500タイトルを超えていますとホームページに書かれています。

これまでも展示内容を変えて、定期的に「本をめぐるアート」の展覧会を行っていますので、興味を持った方は、HPやSNSなどをチェックして是非、一度足を運んでみたらいかがでしょうか。

また冒頭で書いたように、芸術新潮2021年2月号内には、そんなうらわ美術館学芸員の滝口明子氏の解説が読めますので、まずはこちらを読んでみるのも良いかもしれません。

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うらわ美術館へのアクセス・施設案内

住所〒330-0062 さいたま市浦和区仲町二丁目5番1号
浦和センチュリーシティ―3階
地図google mapを起動する
アクセスJR浦和駅 西口より徒歩7分
営業時間10時~17時、金曜日・土曜日は20時まで(入場は閉館の30分前まで)展覧会により異なる場合があります。
定休日月曜日(月曜日が祝日の場合は開館、翌平日休館)、年末年始および展示替え期間。その他、臨時に休館することがあります。
公式HPhttps://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/

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みたっくす

本のある暮らし応援メディア「booklife」運営者。 podcastでは本のある生活を中心に、本に纏わる話から本の感想、本の未来に関する考察を発信しています。月に一度「読書しない読書会」を開催しています。

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