【新宿】文学まち歩き 『漱石山房記念館』で知る夏目漱石氏

2021年4月17日

漱石山房記念館 新宿区

こんにちわ、みたっくすです。

booklife(ブックライフ)では、「本のある生活」を目指して、本と触れ合うきっかけや本のある楽しい日常を発信しています。

国民的文豪・夏目漱石生誕150年にあたる2017年に建てられた『漱石山房記念館』を訪れてきました。

夏目漱石氏は、新宿区で生まれ育ち、その生涯を閉じました。その晩年の9年間を過ごした新宿区早稲田南町にある「漱石山房」の跡地に記念館は建てられました。

『漱石山房記念館』の見どころ

  • 漱石が暮らした和洋折衷の平屋建て「漱石山房」の一部を再現

    夏目漱石が暮らし、数々の名作を世に送り出した「漱石山房」の書斎・客間・ベランダ式回廊を忠実に再現
  • 漱石が生まれ育った新宿区が所蔵する草稿や書簡、初版本などの資料を展示

    『道草』草稿や『明暗』草稿、『吾輩は猫である』『三四郎』『それから』『こゝろ』など多数の初版本を展示
  • 漱石と作品、漱石を取り巻く人々などが知れる

    グラフィックパネルや映像などにより、漱石と作品世界、漱石を取り巻く人々(52名)、漱石と俳句、漱石と絵画などについて紹介

当時の漱石山房には、「木曜会」と呼ばれる漱石氏を慕う人々が集まる会が行われていました。木曜会に来ていた人の中には、当初から出入りをしていた小宮豊隆,森田草平,鈴木三重吉らに加えて、晩年には、新思潮派につながる芥川龍之介や久米正雄・松岡譲らも参加していました。

現代ではオンラインサロンが盛んですが、その元祖とも呼べる先生と生徒、同じ志を持った人達が集まり、まるで文学ギルドとして意見を交わしていたのかましれません。

そして、「木曜会」が行われた「漱石山房」は、和洋折衷でハイカラ好みな漱石らしい建物に写ったことでしょう。再現された洋風な外観の中に和室が佇む設計には目を奪われます。

みたっくす
こんな家に住んでみたい!

1984年年から2007年まで千円券の肖像にもなった夏目漱石氏は、一体どのような人生を送っていたのでしょうか?

当時を再現した建築と貴重な資料が展示された記念館「漱石山房」を見ていきましょう。

漱石が暮らした「和洋折衷」の平屋建て

漱石山房記念館 書斎

「漱石山房」と呼ばれた家は、和洋折衷の平屋建てで、庭の大きな芭蕉の木や、モダンなベランダ式回廊が特徴的だったといいます。

記念館の中には、その当時の家の一部が再現されています。

漱石山房 建築

写真では、引き戸が閉まっていてわかりにくいかもしれませんが、真っ白な洋風なベランダの中に書斎があるギャップがあるのに調和した設計には驚きます。内部には書斎が再現されており、当時の生活を楽しむことができます。

漱石山房 書斎

本棚に入り切らずに、洋風なカーペットの上に置かれた本は、いかにも明治の文豪であり、夏目漱石らしさを感じずにはいられません。

しばらく脳内の書斎のイメージが支配されそうです。

木曜会:夏目漱石とその門弟たちが織り成していた共同体

夏目漱石 木曜会

木曜会(もくようかい)は、夏目漱石宅で、漱石の教員時代の教え子や漱石を慕う若手文学者が集まり、さまざまな議論をした会合のこと。毎週木曜日に開かれたのでこの名がついた。引用元:wikipedia

興味深いことは、夏目漱石氏が意図して作った会ではないことです。

名声が高まるにつれて慕って来る方が増え、仕事に支障をきたすことから面会日を木曜日のみに限定することから始まったと言われています。

そのため「木曜会」というものが正式に組織だって運営されているわけでもなく、来客と面会する場としてあり続けました。それでも実態は、木曜の晩にそこへ行けば楽しい知的饗宴にあずかることができるとして集まってきたことでしょう。

訪れる人の中には門下生と呼ばれる人たちもいますが、基本的には漱石氏は師弟制は取らなかったという証言が知人たちの書の中で残されています。師匠と弟子のように指導するようなことはせず、相談にのったり、議論させたりとするのみだったと言われています。

木曜会は、現代で例えるならオンラインサロンが近い形かもしれません。ですが、その成り立ちや運営については見習うべき点があるのかもしれませんね。

夏目漱石氏の作品

漱石 作品

「漱石山房」の地では、『こころ』『三四郎』『道草』などの名作を世に送り出しました。
特に『こころ』は高校の教科書に採用されていることもあり、読んだことがある人もいるのではないでしょうか。

記念館の2階ではそうした作品が出来た背景に触れることができます。

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また記念館内にはたくさんの黒猫のオブジェが置かれており、床には足跡がデザインされています。黒猫と聞いてピンとくる方もいるでしょう。

ただ「あれ?『吾輩は猫である』に登場する猫は三毛猫じゃなかったっけ?」と思う方もいるでしょう。実は漱石氏は、黒猫を家で飼っていました。そのため自宅を再現した漱石山房では黒猫がモチーフになり、記念館中に足跡を残しています。

こうしたオブジェや足跡を探すのも楽しいかもしれません。

みたっくす
猫のお土産も豊富だよ

記念館は故人を知る最適な場所

新宿区 文学まち歩き

記念館は本人のことを知る上で、重要な役割を担っています。特に故人となった夏目漱石氏を知るには、こうした場所や文献からでしか知ることができません。

文学に触れるきっかけ人それぞれですが、著者のことを知り、興味をもったことがきっかけでその人の作品を手に取るという経験があるのではないでしょうか?『漱石山房記念館』は、漱石氏の作品をはじめ、この時代の本を読みたい、知りたいと思うきっかけを与えてくれることでしょう。

何より著者を知ることは、作品をより深く楽しむことに繋がります。

作品を読み、著者を知る事もあれば、著者を知り、作品を読むこともあります。どちらもより深く作品を楽しむ上では大事なことではないでしょうか。

ぜひ、夏目漱石氏の作品に触れたことがある人もない人にも1度足を運んでもらいたい場所です。

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