うみねこ堂書林 もう一度店長に会いたくなる神戸三宮の古本屋

2020年1月21日

うみねこ堂書林 店内

こんにちは、みたっくすです!

BOOKLIFEでは、「本と本屋のミカタ」をテーマに、本と本屋のこれからの在り方について、私が本屋に行って体験したことや、歩きながら考えたことなどをお伝えしています。

第1回目は、2019年12月に訪れた兵庫県神戸市の本屋【うみねこ堂書林】をご紹介します。

店長とのお話を通して「こういう本屋にこれからも行きたいし、もっと知ってもらいたい」と感じる場所でした。

神戸三宮での本巡りでは、色々と思うことがありました。

本屋を巡っていると、
本屋という場所であったり、
これから本屋自体がどうなっていくのか、などを考えます。

あまり好きな言葉ではありませんが、「出版不況」と言われています。
(20年以上続くものが、不況というのか分かりませんが…)

そういった状態の中で、本と本屋というものがどうなっていくのか。

私にとって本は、好きで、大事で、想像力をつけるには時間をかけてでも読むべきもの。
本屋も好きな場所で、無くなると困ります。

ですから本屋を巡りながら、これからどうなっていったらいいのか、などとよく考えています。

神戸三宮で訪れた古本屋【うみねこ堂書林】

三宮では「神戸書店マップ」を参考に多くの本屋を訪れ、古本屋の店長さんやスタッフさんとお話をさせていただきました。

その中で、
「私は結構本屋が好きで、今日巡っているんですよ」と言うと、
「じゃあ【うみねこ堂書林】さん行きましたか?」という声がちらほらとありました。

それで、『ちょっとそこは行かなきゃいけないかな』と思ったものの、
場所の都合もあって帰る間際にようやく行くことができました。

古本屋然とした【うみねこ堂書林】外観 古本屋然とした【うみねこ堂書林】外観

【うみねこ堂書林】さんは、いわゆるそこまで大きくない、どちらかと言うと小さなお店です。店の前を通りかかっても、入るには少し勇気がいるかもしれません。

うみねこ堂書林 店内 うみねこ堂書林 店内

店内には、棚だけでなく、通路や床にも本が詰めこむように置かれていました。

本を好きな方や古本屋に行くことに慣れていない方であれば、「あ、古本屋だ。帰ろう…」とちょっとためらいそうな状況です。

店長のお話を聞いて本を購入

店内では、最近読んでいる、児童文学の名著『モモ』の作者ミヒャエル・エンデ氏の本を手に取っていました。(参考:モモ - 岩波書店)

すると、店長さんが
「それが好きだったら、こっちもどうかな?」
「最近のこの本とかどうかな?」
「だったら、これもあるよ!」
と、次から次へと畳み掛けるように本をおすすめしてくれました。

『モモ』という1冊の本をきっかけに、次から次へと「知らないなら、これSFの傑作だから読んだ方がいいよ」という風に一つ一つ教えてくれて。

なんだか「声をかけてよかったな〜」と思いました。

お話をした後、この方(店長さん)が言うなら!と、何冊か本を購入。
「店に来たし折角だから」というよりも、興味をすごくそそられて買った、というところです。

うすれる本屋で掘り出し物を見つける楽しみ

うみねこ堂書林 店内 うみねこ堂書林 店内

店長さんに「紙の本で、例えばたまたま訪れた本屋で掘り出し物を見つけたり、それを転売すれば高く売れるようなことって今でも起こり得るのでしょうか?」と以前から気になっていたことを聞いてみたところ、

「そんなことほぼできないよ。そこは抜け目なくちゃんとやっている。メルカリや、そういった売り場の相場みたいなものは既に理解していて、システムもできているから、ほぼ無いんじゃないかな」ということでした。

”見つけて・転売して・お金を稼ぐ” そういった流通の仕方は、もう無くなってきているようです。つまり、ネットのほうが品揃えが豊富な状況になっている今、本屋や古本屋で掘り出し物に出会う楽しみは限りなく少なくなっています。

ちなみに定価以上の価値がついている本というのは、「今はもう無き出版社が当時出していたもので、その表紙のデザインが珍しい」とか「当時使用していた紙が、今では再現が難しい」あとはサイン本・絶版などだそうです。

デジタルでの読書は増加。だけど店長と話したいから本屋に行く

今回、古本屋なので当然、紙の本を買いました。

たた同じ内容の本を読むのであれば、レコードやCDが辿ったように紙の本である必要はなくなっている流れが続いています。いまでは紙の本がいいという好みの問題や出版する側の力があると思いますが、デジタルの方を好み、あたり前となる人が増えていくのは、もう止められないと思います。
その大きな転換点はここ数年で訪れてもおかしくはないとも思っています。

それでも私は、もう一度【うみねこ堂書林】さんにもう一度行って、本を買いたくて仕方ありません。

そこに、本の未来・本屋の未来があると感じていて、それは店長さんのような「この人が居るから行こう!」となる人の魅力になるのだと思います。

あの人の本屋だから行きたくなる。
これは、やっぱり行かなきゃできない体験でした。

オランダの家電ショップの場合【coolblue】オタクな顧客サポート

Coolblueの通販サイトキャプチャ Coolblueの通販サイト

売り方が変わってきたのは、本屋だけではありません。例えばオランダには【coolblue】という家電屋があります。

この店舗の最大の特徴は、店員さんがそれぞれの商品を自分で使い、機能や特徴を理解した上で商品を勧めてくれること。お店で番号札を引き自分の番がくると、店員さんが付きっ切りでWEBサイトをみながら相談に乗ってくれます。

一緒に選んだ商品をその場でWEBサイト上で注文し自宅に配達してくれるサービスもあり、ネット通販に不慣れで対面での接客に慣れている中高年のお客さんに喜ばれているそうです。

実店舗には、ほとんどものを置いていない、という場所もあり、在庫をあまり置かずに、ネット購入を推奨しています。もし在庫があれば持って帰っていいけれども、基本的には注文も決済もインターネットで、商品は郵送しますよ、というシステム。

「家電を買いたいが、不安なので詳しい方に聞いて決めていきたい」

このニーズは、情報が増えれば増えるほど、絶えずあるのかなと思います。

そういう中で、詳しい方、ある意味「オタク」の方と話をして決めていきたい、という部分に付加価値を出した家電屋を、今回三宮の本屋に置き換えて考えてみて、どちらも「人が魅力だ」というのはあると思いました。

新しい世界を与えてくれる「人」がいるという魅力

多くの本屋が、SNSを使ってお店の紹介をしています。

「本屋」としては、足を運んでもらい、実際に本を買ってもらわなければ商売が成り立たないのが基本かと思います。

そこで、本屋の品揃えよりも「この人が居るから行こう!」となる人の魅力を強めていけることが、これからも本屋が必要とされる、または受け入れられて価値がより高まっていくんじゃないかな、と思いました。

何かジャンルに特化をして、詳しい方が居る。そうすると、ファンの方やそのジャンルが好きな方が集まる場所としての本屋の価値・場の価値が高まっていくというのを、今回【うみねこ堂書林】さんを訪れたことで感じました。

本屋好きにはたまらない、まち全体で作る「本の町」

神戸三宮は本当に本屋が多くて、「本の町」という印象を受けました。

普段はGoogleマップなどで本屋を調べるのですが、三宮に関しては2店舗目ぐらいで「神戸書店マップ」を見つけて、マップを頼りに1店舗ずつ興味があるお店をまわって行くことができました。(参考:ダウンロードもできる神戸書店マップ

いろんな種類の古本屋がある他、大型書店や新しくしたデザイン性の高い本屋や、イベントが多数開催されている本屋もあったりと、とても魅力的な町でした。本が好きな方やさまざまな本に触れてみたいという方に最適な場所だと思います。

町をあげて作っていくというのも、これからの本屋の在り方の一つなのかもしれません。

あとがき

本屋の在り方というのは、いろんな本屋さんが考えていることだと思います。今回は、人という軸で魅力を感じ、その方が居るというので本屋を訪れて、お話を通して本を買っていくという購買行動と、実際に自分がそうしてみて、そう行った本屋が増えたらなあと思いました。

これからも、本屋の新しいミカタ・これからの未来の話など、自分なりに思ったことや歩きながら感じたことを、お伝えしていきたいと思います。

絶賛配信中▶ 本と本屋のミカタ #02(Youtube)

今回訪れた古本屋「うみねこ堂書林」

うみねこ堂書林 うみねこ堂書林

住所〒650-0023
神戸市中央区栄町通2-7-3
営業時間12:00~19:00
定休日火・金曜日
(臨時に変更する場合がありますので、
下記お知らせをご覧下さい。)
HPうみねこ堂書林

※行った後にクチコミやレビューを調べて知ったのですが、店長さんはSFについてとにかく詳しい方だそう。そういったイベントも開催しているので、興味がある方はぜひ訪れてみてください。

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