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【ワシントンD.C.の本屋】amazon booksを視察。その特徴とこれからの展開について考える

2019年11月2日

アマゾンブックス

みたっくす

こんにちは。みたっくす(@book_life_net)です!

世界最大手のネット書店といえばamazonでしょう。

そんなamazonですが、アメリカ国内では実店舗を展開しています。今回、その一つであるワシントンD.C.にあるamazon booksを訪れました。(2019年6月28日)

リアル店舗はどの様になっていて、今後どのように進化していくのか?実際に訪れての感想を紹介します。

書店の特徴

入り口

本屋に入ったときは、特に驚くようなことはなく、ジャンルごとに分けられた普通の本屋という印象でした。

その中でもやはりというか目についたのは特集コーナーや平積みになっている本を見ると、「キュレーターによる本の説明」か「読者によるレビュー文章」と合わせてamazon.comにおける○○月までのレビュー評価が★で表現されていました。

キュレーター

レビュー

ざっと見る限りレビュー数が多くて、4.0以上のものが置かれているようで、評価の高い本を通した読書体験を提供したいのかなと思いました。もちろん評価が高い方が購入の意思決定率が高いというのもあるでしょう。

また散策していると実はほとんどの本が平積みで置かれていることに気付きました。日本の本屋では、棚積みになっていることが多いため、その違いは興味深かったです。

アマゾンブックス 平積み

アマゾンブックス

あとはkindle、amazon echoなどの自社のデジタルガジェットが置かれていることも特徴でしょうか。

デジタルガジェット

自社製品なので当たり前のことかもしれませんが、日本国内ではamazonの商品に触れる機会はほとんどありません。購入を考えている人にとっては貴重な場であるかもしれません。

またアメリカの本屋では必ずと行っていいほど、クリスマスカードなどギフト商品が一緒に置かれていますので、最近発表された子供向けのkindleなどはこういった手に取る機会を通して購入されることはありそうです。

参考:アマゾン、子供向けキンドル 保護者が利用時間管理
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50691730X01C19A0X30000/

amazonの他の展開を合わせて考えてみる

ここからは個人的な妄想を。

amazonはもともとネットの書籍販売から始めた会社です。

その後、「kindle」を世界中に広めたことで(実はSONYのほうが同じ概念のものを早くつくっていたけど)、電子書籍で読むという革命を起こしました。

そのあたりの取り組みは以下の本を読んでもいいかもしれません。

デジタル化(電子書籍)のメリット

本をデジタル化することのメリットはこれまでも散々語られていますが、実は日本ではあまり知られていない機能があります。それは「貸し借り」の機能です。Kindle上で、電子書籍の貸し借りができるのです。
※ただし、出版社が許可したものをamazon.comで購入した場合に限る。

友人との貸し借りから本が好きになったという経験もあるのではないでしょうか。

何気ない会話から貸したいと思うことが多いので、正直、この機能が日本で提供されていないことは残念で仕方ありません。

またこれからますます高まっていくであろうデジタル化のメリットは、読み手の行動が分かることでしょう。例えば、読み手がどこで読むのをやめてしまったか?どんなところに興味があるのかがデジタルなら分かります。

そうなると出版側は、読み手の関心の高いところを中心に改訂版を出す、その箇所を中心にお客さんと議論するような場を設けることもでき、より読者との関係を強化することにつなげることができるようになります。

無人本屋のシステムが誰でも使えるように

昨今、amazon booksより話題になっているのは、amazon GOではないでしょうか?日本では「無人コンビニ」と呼ばれてメディアで紹介されています。

今後このシステムが、amazon booksにも展開されることが容易に想像できます。またamazonはもはやEコマースの会社ではなく、クラウドサービスの最大手でもあります。例えば何気なく見ているいろんなネットのサービスが実はamazonのサーバ上で作られ提供されていて、そういったサービスの総称はAWS(アマゾン ウェブ サービス)と言われ、だれでも手軽に利用が可能です。

つまりAWSを使うためのちょっとした知識があれば、誰でも無人本屋が提供できるようになります。そして、おそらく物流面でもより人出がかからない仕組みが提供されていくのではないでしょうか。

そうなれば本屋は、より本を通したコミュニケーションなどにより時間を費やすことができるでしょう。

そう考えるとワシントンD.C.のamazon booksが、その場で読むための場所やイベントスペース・カフェなどが用意されていたのは同然のように思えます。

amazonはどの企業よりも「本を読むこと」の価値を信じている

amazon booksにいる間、いまでは当たり前の事のように思えますが、オンライン・オフラインの双方が完璧に連動する形であることで、欲しい時に欲しい本が手に入ることは頼もしいと思いました。それは、あるべき顧客への提供価値とも言えます。

これからはデータと相まってその地域のオンラインの購入行動に合わせた店舗づくりもできるでしょうし、その地域の店舗のデータからオンラインでレコメンドするような逆の流れも可能でしょう。

amazonはどの企業よりも「本を読むこと」の価値を信じていて、そのために多くの「読書体験」を提供し続けている。そんなことを店舗を訪れる中で考えてしまったのですが、いかがでしょうか。

余談ですが、近くには「ジョン・F・ケネディ第35代アメリカ合衆国大統領が告白をしたBAR」(Martin's Tavern)があります。ぜひ、訪れた際はお気に入りの1冊を持って、特別な1杯を召し上がりください!

martins tavern

Have a good book travel!

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みたっくす

本のある暮らし応援メディア「booklife」運営者。 podcastでは本のある生活を中心に、本に纏わる話から本の感想、本の未来に関する考察を発信しています。月に一度「読書しない読書会」を開催しています。

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