こんにちは。みたっくす(@book_life_net)です!
十年一昔という言葉の通り、2020年代の「新しい時代の始まり」という意気込みを感じる人々も多いのではないでしょうか。シンギュラリティが叫ばれ久しいですが、2045年まですでに残り30年を切った現在だからこそ読書は未来を切り開く。
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創造性向上は読書にあり
2020年に身につけるべき5つのスキル
コロンビア大学一般教育大学院長のJason Wingardによると、これからの時代に市場をみたときに必要になる必要不可欠なスキルとして以下の5つを挙げています。
1.繁栄への適応
2.クリエイティブ、創造性
3.感情的知性の発達
4.テック知識
5.パーソナルブランドの確立
IT技術の発展目覚ましい21世紀においてテック知識の重要性や、またインフルエンサーなどに代表されるパーソナルブランドの確立の必要性などは、どこか聞きなれたスキルのように見受けられます。一方で「クリエイティブ、創造性」については少々ぼんやりとした印象を抱きます。具体的にクリエイティブ、創造性をもつためにはどのようなことをすべきなのでしょうか。
クリエイティブは考えや技術あってこそ
そもそもクリエイティブ、というとどこか天性のセンスのようなものと聞こえがちですが、クリエイティブ、創造性の定義としてはこのように書かれています。
新しいものを自分の考えや技術などで初めてつくりだすさま。
つまり、クリエイティブであるということの十分条件にあるのは、自らの考えや技術。もちろん閃きも大切な素養ですが、同時にまずは未知を知るという作業が必要になるのです。
クリエイティビティの向上こそ読書の十八番
そこで読書です。
どうも論理が飛躍しているように思われるかもしれませんが、もし世界中時空間を超えてどこへでも足を運ぶことができるのなら、読書は必要ないかもしれません。戦国時代に実際に戦場で戦ってみたり、イギリス人になって大英帝国を牛耳ってみることができるなら、おそらく読書は不要でしょう。しかしながら、私たちは高い山に登らずとも、危ない峡谷を渡らずとも、それらの世界を読書を通じて体験し、知識を得ると同時に、さまざまなイメージを自由に膨らませることができます。
知識のみならず、知らなかった世界をイメージするクリエイティビティを向上させてくれる、それこそが読書の力なのです。
でもいきなり読めって、何からどこから読めばクリエイティブになれるの?と迷子になってしまう方もいるでしょう。そんなときはクリエイティブな仕事をこなすセレブリティたちからヒントをもらってみるのも良いかもしれません。
成功の秘訣は読書?セレブリティが主宰する注目ブッククラブ
ブッククラブ、と聞くとどこか部活動のようにも聞こえますが、そもそもセレブリティによる最初のブッククラブは1996年にOprah Winfreyによる「Oprah’s Book Club」といわれています。彼女がホストを務めるトーク番組「The Oprah Winfrey Show」の番組内で紹介されれば過去80万部が追加で売れたという事件もあり、その現象は通称「Oprah効果(Oprah Effect)」とも言われています。
No Amazon! ローカルに根ざすブッククラブ
シカゴのラッパーであるNonameが昨夏立ち上げたブッククラブの名前はズバリNoname’s Book Club。カラー(有色人種)の作家や、LGBTコミュニティに属する作家による進歩的な作品を取り上げ、商業的なことではなくあくまで「コミュニティ」をつくることを目的に、毎月2冊の課題図書を提示しています(どちらか、あるいは両方を選べるように)。
このブッククラブのユニークな点は、Oprah自身の強い意向の現れとしてNo Amazonをスローガンに掲げているところ。そのため課題図書を手に入れる方法は、地元の本屋(紹介されているのは有色人種により運営されている独立店舗)で購入するか、或いは公共図書館で借りるかのどちらか。また、彼女は全米のあちこちで積極的にミートアップイベントを開催するほか、ツイッターでも積極的に情報発信をおこなっています。最近では月額1ドル〜の投資を募る形でコミュニティの運営も模索しています。
エマ・ワトソンが主宰するオンラインのフェミニスト・ブッククラブ
ご存知エマ・ワトソンは、国連親善大使に就任した2016年に、オンラインのフェミニスト・ブッククラブである Our Shared Shelf をローンチ。その動機について「国連女性との仕事の一環として、〈平等〉に関する本やエッセイをできる限り多く読むようになった」と語っています。
同ブッククラブでは不定期にオフラインイベントや対談動画の発信も行われています。最近でも作家レベッカ・ソルニットとの対談は、ほぼフル尺でyoutubeにも投稿されています。
セレブの読書リストはインスタグラムで覗き見
ブッククラブではないものの、インスタグラムでは多くのセレブによる本の紹介は定番コンテンツとなっています。ナタリー・ポートマンはインスタグラムで「今月の本」をシェアするほか、バラク・オバマ前大統領も年1-2回のバケーション/ホリデーシーズンにまとまってReading listをSNSで公開するのを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。特にオバマ氏は、インターネット論など社会的要素の強い時流に乗ったセレクトからちょっと懐かしい小説まで幅広いさすがのセレクト、毎回世界中で大きな話題になっていますね。
As we wind down 2019, I wanted to share with you my annual list of favorites that made the last year a little brighter. We’ll start with books today — movies and music coming soon. I hope you enjoy these as much as I did. pic.twitter.com/l5qTGkAPok
— Barack Obama (@BarackObama) December 28, 2019
読書はまだ知らないを知るツール
さいごになりますが、小説を読書する効果として脳機能が改善されることが発見されています。わたしたちは小説に夢中になることで、脳の接続性が高まり脳の機能が向上されます。スポーツの筋肉記憶に似た方法で、読み手のイマジネーションを向上させられることがわかったのです。
「イマジネーションは知識よりも大切だ。なぜなら知識はわれわれが現在理解しているものを定義する一方で、イマジネーションはわれわれがまだ発見し創造しているかもしれない物事を知らせてくれるからだ。」
アインシュタインの言葉が端的に表しているよう、オンラインで気軽に検索ができて情報溢れる2020年代だからこそ、縛られることのない確実で自由なクリエイティビティを読書で養っていきたいですね。
参考リンク
>Work in the 2020s: 5 essential skills to succeed
>Why Read? Reason #6: Knowledge is Power but Imagination is More Valuable.
>Short- and Long-Term Effects of a Novel on Connectivity in the Brain
>Imagination And Why Reading Makes You More Creative
>The coolest book clubs in town
>Barack Obama releases list of his 19 favorite books from 2019