booklifeによるSDGsの本棚へようこそ。
日常的に耳にすることが増えた「サステイナビリティ」という言葉。
「世の中を持続可能にしていくという考え方」を意味するその言葉は、環境的・社会的・経済的の3つが揃ってはじめてなれると考えられています。
このページでは、サステイナビリティな社会を実現する上での「持続可能な開発目標:SDGs(Sustainable Development Goals)とESG(Environment・Social・Governance)に関わる人に役立つ本を紹介する生きた本棚です。
月に2冊、新しいタイトルを投稿しています。
是非、このページをブックマークするか、この本棚が増えてきたときにもう一度見に来てください。
Contents
『地球の未来のため僕が決断したこと』
- 二酸化炭素換算の温室効果ガスの年間排出量「510億トン」
- 目指さなくてはいけない排出量「ゼロ」
- グリーンな代替物にしたときに追加でかかる費用を表す「グリーンプレミアム」
この3つのキーワードによって人類が地球に与えている影響を正しく認識できる本書は、気候変動の未来を見通す上で大いに役に立つ本であり、今、自分たちが何をすべきかを示す、まさに未来への提言です。
続きを見る『地球の未来のため僕が決断したこと』今、何をすべきかを示す、未来への提言
サステイナブルなものづくり ゆりかごからゆりかごへ
従来の製造モデルで使用される材料の90%が廃棄物となることをご存知ですか?
「ゆりかごから墓場へ」ではなく「ゆりかごからゆりかごへ」
ものづくりの方法を変えることで、新しい製品を作るために自然環境を傷つける必要がない世界を目指すための本です。
「サステイナブルなものづくり」は、2002年に刊行された「cradle to cradle」の翻訳版として2009年に日本では出版されました。地産・地消、地域との共生、多様性の重視を考慮すると言った考え方は、当時ではモノの生産の在り方を根底から覆す画期的な提言でした。
今でこそSDGsという目標のもと、意識をし始めた企業、個々人が増えていますが、20年以上前から実践してきた人たちによる言葉には重みがあり、何より数多くの実践による苦悩と達成してきた成果から学ぶことが多々あります。
また著者の1人は、日本で生まれ育った経験があることから、冒頭部分に書かれた日本語版に寄せてのメッセージにも示唆が溢れています。
いまでこそものづくりに関わる人にとってバイブル的な本となることでしょう。
『人新世の資本論』
これからの時代に光を照らす「前向きな脱成長経済」へ
経済活動が環境を破壊し、気候変動に影響を与え、その先には地球をも破壊しようとしている。だけど、私たちはそれでもまだまだ大丈夫と思ってはいないだろうか。
確かにCOVID-19に対してmRNAワクチンを短期間で実用化したように、技術が発展することで環境問題も解決できるのではないか。また多くの人がエコバックを持つようになったり、EV化した製品を買うようになったり、環境へ貢献する活動が増えているようにも思われる。
だけどこうした商品の生産工程まで考えたことはありますでしょうか。
『人新世の資本論』は、大資本を持つ企業がそうした問題となる部分を不可視化、つまり見えないように後進国と呼ばれる国々に押し付けてきている事実を、そして世界の国々は、GDPにおいては確かに成長はしてるかもしれないが、その代償は、環境に、そして地球の破壊へと邁進していることを明らかにします。
資本について徹底的に分析した本書は、資本主義を突き進むことによる環境危機への問題を見事なまでに可視化してくれる点において、教養として抑えておく必要があるのではないだろか。もう「知らない」「知りたくない」で許される状況ではないかもしれないのだから。
『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』
SDGsを、感情ではなくファクトで捉えたい人におすすめの1冊です。
SDGsという人類共通の目標は素晴らしく、SDGsの旗を掲げて活動する人たちが増えているように思われますが、自分ゴトと捉えて取り組んでいる人はどのくらいいるのでしょうか。
『2030年の世界地図帳』は、SDGsを自分ゴトにまで落とし込み、自分にできる可能性を考えさせてくれる力があります。また本書では、SDGsができた背景として、環境破壊や経済格差といった問題だけでなく、テクノロジーを始めとした急速な社会の変化に対する国家間の狙いや思惑といった視点まで解説している点においても珍しい一冊かもしれません。
というのもSDGs関連の書籍の多くは、SDGsを賛美する内容のみで構成されているからです。
そのような中、本書は著者の研究者としての一面もあるのか、淡々とファクトとその解説が続きます。そうしたファクト一つ一つは点の情報でしかありません。ただし、読み進める中で点と点がつながっていき、自分なりの新しい視座が構築されていくのです。
そして、新型コロナが拡大する前に出版されたにも関わらず、その内容は普遍的です。
まさにタイトル通り2030年までSDGsの教科書となる一冊ではないでしょうか。
『日経経済新聞』
今はまるで環境経済新聞
2020年、世界最大の資産運用会社「ブラックロック社 CEOのラリー・フィンク氏」が投資先企業のCEOに宛てた書簡には、気候変動リスクを開示しない企業へは反対票を投じることや売上の25%以上を石炭から得ている会社には投資しないことが記載されていました。
その後、アメリカ大統領に気候変動対策を掲げるバイデン氏が当選したあたりから、『日本経済新聞』はまるで環境経済新聞かのように取り扱う記事がESG、SDGsに関連したものへと急激に変わりました。
経済にはそこまで興味なかった方にもESG、SDGsにおいては日経新聞は抑えておくべきメディアに変わったと言っても過言ではありません。
なにより新聞だからこそ、一定の取材や確認のもと掲載されていること、またタイムリー性のある内容を毎日目にすることはESG、SDGsの変化を追いかける上でも必読ではないでしょうか。
※これまで新聞を読まなかった人にも新聞というメディアに触れる良い機会かもしれません。
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ブラックロック社 CEOのラリー・フィンクが投資先企業のCEOに宛てた書簡2020はこちら
『交響曲第6番「炭素物語」:地球と生命の進化を導く元素』
温室効果ガスの排出量ゼロを目指す「脱炭素化」。
言葉だけ見ると、まるで炭素(carbon)が悪者のような言い方ですが、私たちはどれだけ炭素のことを知っているのでしょうか?脱炭素という社会を目指す上で、その要因となっている元素=炭素の幅広い用途を理解することは有効なこととなるかもしれません。
『交響曲第6番「炭素物語」』は、炭素が地球と生命を進化させ、私たちの生活を支えてくれているかを教えてくれます。
その中でも「第2楽章:空気=第二章」で紹介している二酸化炭素を吸収する岩「オフィオライト」の話は、人間が出す二酸化炭素排出の問題を根本から変える可能性をもっているかもしれません。
『Weの市民革命』
サステナブルな社会の実現は「責任のあるお金の使い方」をすることかもしれません。
アメリカをはじめとしたミレニアル・Z世代の人たちが、消費を通じた社会運動を先導し、企業をよりサステナブルな方向へと変えています。
その背景にある彼らの購買力、そして、社会意識や環境への関心の高さがあります。
日本においては、ミレニアル・Z世代の人口動態は決して大きくなく、その影響は限定されたものかも知れません。それでもアメリカの変化は世界の変化へ、そして日本へとつながっていくことでしょう。
『Weの市民革命』は、コロナと大統領選も含めたアメリカの最前線のレポートも踏まえ、私たち消費者には企業や政治の方針を変える力があることを教えてくれます。
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著者の佐久間 裕美子さんについては、ポッドキャスト番組「こんにちは、未来」にてその時々の取り組みや考えを聞くことができます。
番組はこちら ※spotifyにリンクします。
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インスタグラムでも定期的にインスタライブでトークをしていますので、こちらも興味のある方はフォローしたり、覗いてみてください。
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