こんにちは。みたっくす(@book_life_net)です!
今回のエピソードでは、アメリカの公共図書館の利用に関するレポート「Z世代とミレニアム世代、公共図書館の利用方法とメディア利用による識別」について紹介します。
2022年3月に北米で実施されたこの調査では、13歳から40歳までの2075人を対象に行われました。レポートの要約によると、Z世代とミレニアム世代は驚くべき態度と行動を見せており、54%が過去12ヶ月以内に物理的な図書館を訪れています。また、図書館は読書家でない人々も引きつけているとしています。
この調査では、図書館が本だけでなく、就職やキャリア支援、子育て支援、語学学習、プログラム学習、Wi-Fi対応のワークスペースやメディア制作機器など、多様なサービスを提供していることが明らかになりました。これにより、非読書家を含む多くの人々が図書館を利用するようになっています。
興味深い点として、図書館が本のショールームとして機能していることが挙げられます。
調査によると、図書館利用者の43%が読書家ではありませんが、そのうち54%が地元の図書館を訪れています。これは、図書館が単なる本の貸出場所ではなく、さまざまな体験を提供する場所であることを示しています。
また、図書館のプログラム参加者は2014年から2019年の間に23ポイント増加しており、特に若い世代が積極的に利用していることがわかります。Z世代とミレニアム世代の58%が書店で本を購入しており、その多くが図書館や書店で立ち読みしてから購入を決定しています。独立系書店での購入がコミュニティ支援の一環として行われていることも興味深い点です。
図書館での本の借り出しについては、75%が1週間以内に本を手に入れたいと考えています。また、電子書籍の貸出に関しても課題があり、37%の利用者が利用方法に戸惑っていることが示されています。これは、電子書籍の普及が進んでいない現状を反映しています。
レポートは、図書館が本の貸出だけでなく、コミュニティの中心として機能していることを強調しています。図書館は多様なサービスを提供し、利用者に本を手に取るきっかけを与えています。これにより、書店での本の購入にもつながり、地域経済への貢献も期待されています。
さらに、レポートを読みながら、アメリカの公共図書館が本を中心とした静かな場所だけでなく、カフェやデジタル機器を備えた多機能なスペースであることがわかりました。このような環境は、日本の図書館にも導入されるべきであり、電子書籍の貸出や多様なサービスの提供が進むことで、図書館の利用がさらに促進されるでしょう。
結論として、図書館は単なる本の貸出場所ではなく、多様なサービスを提供するコミュニティの中心としての役割を果たしており、若い世代にも広く利用されています。今後、日本の図書館もこのような多機能なスペースとしての進化を遂げることが期待されます。
詳しくは以下からぜひ音声での解説を聴いてみてください。
#95 アメリカの公共図書館から学ぶ:Z世代とミレニアム世代が図書館を訪れる理由
ポッドキャスト内で紹介した映画はこちらです。
今回のトーク内容
本の未来を考えるポッドキャスト『booklife radio』。今回は下記のテーマでお話しました。
今回のトーク内容
- 図書館のアメリカとの違い
- 図書館と書店の関係
- 独立書店と地元コミュニティの支援
- 図書館の役割
- アメリカの公共図書館と映画
- 図書館の役割と電子図書の普及
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