こんにちは。みたっくす(@book_life_net)です!
booklife(ブックライフ)では、「本のある生活」を目指したい人向けに、本と触れ合うきっかけや本のある楽しい日常を発信しています。
今回は広島県尾道にある「古書分室ミリバール」をご紹介します。
このお店は、深夜23時にオープンする「弐拾db(ニジュウデシベル)」の店主による分室として2020年8月にオープンした古本屋です。「弐拾db(ニジュウデシベル)」の哀愁漂う店舗の雰囲気はそのまま、分室としてのこじんまりとした空間が落ち着きを感じさせます。
場所は、尾道古民家再生プロジェクトの1つ「三軒家アパートメント」の一室。他にもレコード店や工房(ショップ)や事務所兼ギャラリー、カフェなどアパート一体が観光地になっていますので、一緒に訪れてもらいたい場所です。
ちなみに弐拾db(ニジュウデシベル)は、「尾道でおすすめの本屋あります?」と聞くと必ず名前があがる本屋です。(他には「本と音楽 紙片」があります。)
そんな尾道の代表的な本屋を運営する店主が出す2店目の「古書分室ミリバール」。どんな魅力のある本屋なのか見ていきましょう!
Contents
昭和を思い出す世界観
ミリバールが入っている建物がこちらの三軒家アパートメントです。外観から哀愁が漂っていますね。※三軒屋アパートメントについてはこちら
ちなみにこちらの建物にたどり着くまでにこうした道を歩いて向かう必要があります。
怒られてしまうんじゃないかとビビる人がいてもおかしくありませんよね。ただ尾道はここに限らず路地裏など細い路地自体が観光名所になっていることも多いので、小さな看板やgoogle mapを信じて向かいましょう。
勝手に人の家に入る感覚
建物の中に、ミリバールがあるはず!と思っても、アパートに勝手に入るのはちょっとためらいます。人の家に勝手にあがるようなそんな気持ち。
たまたま建物から人影が見えたので、「ごめんくださーい。ミリバールさんいますか?」なんて言いかけてしまいました。
哀愁漂う ミリバール
細い廊下を進んで店内に入るとそこは建物の雰囲気そのまま哀愁の漂う世界が待っています。ライトや時計など一つ一つが全体に調和していて、過去にタイムスリップしたような感覚に襲われます。
入りやすい古本屋
古本屋は入りにくいと思っている方も多いのではないでしょうか?
気難しそうな店主がカウンターに座っていたり、難しい本ばかりが並んでいたりするとそうしたイメージを持ってしまうのも無理もないかもしれません。
その点、ミリバールは入りやすい古本屋です。
きっと店主が若いこともあり、作り出すお店の全体の雰囲気は古くても、その中におしゃれさや居心地の良さを感じさせるものがあります。
これは実際に訪れてみないとわかってもらえないことかもしれませんが、「美意識」の高い惹かれてしまう本屋なのです。
古書の他に新書が置かれているも調和が取れているポイント。ミリバールを訪れた人が手にとってしまいそうな本だなと思いながら、まんまと我慢できずに手にとってしまいます。
未完の本屋
ところどころ紐を解かれていない本があったり、本棚にもスペースが目立ちました。
聞くと「実は本屋として完成はしていなくて、途中」とのこと。
それでもオープンしているには、コロナ禍でも少しでも明るい話題を出したい、前向きなところを見せたいという考えがあったみたいです。
では、未完のお店に訪れることに対してお客さんとしてどう思ったかというと、逆に希少価値を感じてしまいました。というのも「小さな本屋だけど、あそこの壁にはこんなことをして、またあの本棚にはこうした本を並べて・・・」など今後の展望を語る藤井店主の話を聞いていると、また来たくなってしまったからです。
「未完成」というと日光東照宮の話が思い出されます。
柱の中の1本だけ、彫刻の模様が逆向きになっている逆柱があり、それは「建物は完成と同時に崩壊が始まる」という伝承を逆手にとり、わざと柱を未完成の状態にすることで災いをさけるという、言わば魔除けのために逆柱にしたとされた話です。
いつまでも未完であることが、実は本屋にとっても大事なことなのかもしれません。
藤井店主の新しい試み
藤井店主は、ミリバールを出店した以外にもたくさんの試みをしています。
その中でも最近、らしい雑誌や本の出版をはじめました。
出版
「雑居雑感」
参照元:https://popotame.com/items/5f23ef93d3f1670b1da05afc
坂のあるレトロな街並みに個性的な個人店が集う、幅広い世代に人気の観光地・尾道に、戦後のヤミ市から生まれた二つの「マーケット」が存在した。深夜23時オープンの古本屋 弐拾dBから創刊された雑誌『雑居雑感』では、駅から徒歩数分、ウッドデッキの遊歩道が整備された海岸沿いのエリアにかつてあったというマーケットの痕跡を、参考資料と聞き書きで辿ります。
「水温集」
参照元:https://booth.pm/ja/items/1982377
これは世にも珍しい水に溶けてしまう一冊の本。
声は、音は、歌は、水に溶けて、
消えてゆく。
「本のみを売る」の先にある、これからの本屋へ。
本屋を開きたいと思っている人にもその展開を参考に訪れると得るものがあるのではないでしょうか。
昼はミリバール、夜は弐拾db(ニジュウデシベル)
尾道を訪れた際は、昼間に「古書分室ミリバール」へ、その後、尾道グルメを満喫した後、深夜に「弐拾db(ニジュウデシベル)」というプランを考えてみてはいかがでしょうか?
歴史のある町並みと相まって、大事な一冊との出会いがあるかもしれませんよ。
ぜひ、ミリバールで素敵な本屋LIFEをお過ごしください。
今回訪れた本屋:古書分室ミリバール
住所 | 尾道市三軒家町3-26 尾道駅裏三軒家アパートメント西103号室 |
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営業時間 | 12:00-18:00 ※営業日は古本屋 弐拾dbのSNSを参照ください |
SNS | Facebook |
本屋訪問memo
本屋が失くなっているという記事をよく見ますが、藤井店主のところを訪れる度に本屋の未来は明るいもののように感じます。それは、最近の言葉でいうならサステナブルなお店はこういうものだと感じるからです。
特に建物や本といったハード面に魅力はもちろんありつつ、ソフト面の充実を意識することが大切なんだと教えてもらいました。
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