こんにちは。みたっくす(@book_life_net)です!
booklife(ブックライフ)では、「本のある生活」を目指して、本と触れ合うきっかけや本のある楽しい日常を発信しています。
「英語多読」という英語の学習法はご存知でしょうか?
やさしい英語の本からたくさん読むことで、「英語を英語のまま理解し」、「英語の語順で」英語を使えるようになる学習法です。
元々、多読とは、文章を分析しないで大意を把握する読書法のことです。
これを英語の本に対して実践することで、ネイティブ感覚で英語を使えるようになっていきます。
好きな本を読みながら、英語が身につけることができるならこれほど楽しい学習法はないのではないでしょうか。本を読むのが好きな人に特におすすめできます。
この記事では、英語多読について実体験も交えて、その考え方やその成果について説明させていただきます。
英語多読について
英語多読は、英語を英語のままで読めるようになることを目的としています。
つまりbicycleという単語を自転車と頭の中で訳すのではなく、bicycleとして認識します。
appleもりんごを訳すのではなく、あくまでappleです。
例えば、I have an apple.を読んだ時、「私は一つのりんごを持っている。」と頭の中で訳さなくても、その意味はわかるのではないでしょうか。
そうした訳さずでも理解できるやさしい本をたくさん読んでいくことで、英文を読むスピードが上がり、英語を日本語に訳さなくても理解できる「英語脳」を鍛えることができます。
英語脳が出来上がってくるとリーディングだけでなく、リスニングも確実に伸びることが実感できます。つまり多読という読むという行為をしているだけで日常の中で「英語を英語のまま理解し」、「英語の語順で」英語を使えるようになっていくのです。
実際に続けていく中で、シャドーウィングによる発音練習を組み合わせたほうがスピーキングとリスニングにおいては成長がより加速することを実感しましたが、組み合わせることを最初から考えると、続けることが難しくなりますので、とにかく半年、1年はたくさん本を読むことに専念したほうがいいとは考えています。
目標は30万語、100万語、300万語です。
ちなみに文法については、学校教育を一定学んでいた方には、多読をする上では新たに学ぶ必要はありません。シンプルに、本を英語のまま楽しみながら読み続ける。これだけがよく、むしろこれだけじゃないとダメなのです。
英語多読の始め方
繰り返しになりますが、ポイントは、とにかくやさしい本から始めるということです。
子供の頃を思い出してほしいのですが、いきなり活字びっしりの本は読みませんでしたよね?最初は絵本から読んでいたのではないでしょうか。そして、すこしづつ文章が多い難しい本が読めるようになっていたと思います。
あくまで1サンプルですが、私は、学生の頃に受けたTOEICは730点でしたので、点数だけで判断するなら英語が苦手というわけではありません。ただし、英語の多読を始めた際は、絵本のような本からはじめました。具体的には幼稚園児や小学生低学年が読むようで、文字量も数百単語あるかないかです。
それでも最初のうちは、日本語に訳してしまう癖と100%正しく読まなきゃという囚われがありましたので、そういった癖を取る意味でも良かったと思います。
とにかく訳さなくても意味が分かり、スラスラと読める本から始めるということを守りましょう。
英語の多読本の選び方
英語多読で使用する本は、Graded Readers(通称:GR)と呼ばれる英語を学ぶ外国人向けの本がおすすめです。
これらは英語を外国語として学習する10代以上の学習者用の本(洋書)で、Penguin Readers (ペンギンリーダーズ) やMacmillan Readers (マクミランリーダーズ)、Oxford Bookworms Library(オックスフォード ブックワーム)などたくさんのシリーズが出版社から出版されています。各シリーズともに複数のレベル分けがされており、各レベルで使用される英単語や文法が制限されていることが大きな特徴です。
ちなみに、こうした本が紙・電子書籍ともに充実したことで、英語の多読による勉強がしやすくなったと言われています。
代表的なPenguin Readers (ペンギンリーダーズ)では、以下のようにレベル分けされています。
見出し語というのは、本の難易度を示しており、語彙レベルと考えると良いでしょう。
最初の一冊として、一番低いレベルのEasystartsを、英語のまま読みきれるかどうかを知ることは一つの目安となります。読み切れるようならこのレベルで英語に親しみながら次のレベルへと移っていくのが良いでしょう。
スラスラと読みきれないようであれば、オックスフォード・リーディング・ツリー(ORT)など絵本のような本が読めるようになってからEasystartsに移ることをおすすめします。
英語で英語で理解する教育を受けていない方が大半かと思いますので、焦らないことが大切です。
参考までにEasystartsにはどのような本があるか3冊ほど紹介します。
参考:読みやすさレベルについて
Graded Readersとは別に、英語多読研究会が出している「読みやすさレベル(YL: Yomiyasusa Level)」という数値があります。
この数値は,SSS英語学習法研究会が独自に定めた日本人の大人にとっての読みやすさレベルで、数値が小さいほど一般的に読みやすいことを表します。また、数値に幅があるのは、シリーズ内の本によっての難易度の差および、同じタイトルの本でも個人の好み・英語学習歴による難易度の差があることを考慮したものです。
詳しくは、以下のページを参考にしてみて下さい www.seg.co.jp
SSS推薦・多読用基本洋書のご紹介
日本人に合わせた指標なので、かなり的確に感じますし、実際、こちらを参考に本を選んでいます。使いやすくない面がありますが、検索システムが提供されていますので以下にて自分にあった読みやすさレベルとジャンルの本を探すのも良いかもしれません。
www.seg.co.jpSSS書評検索システム/SSS書籍TOP
多読本の読み方
読み方については、英語多読研究会が推奨している「英語で読書を楽しむ三原則」というものがあります。
1) 辞書は全く引かないと自分で決める
2) 辞書を引くのはは多くても、1冊3語までと決めて、できるだけ引かないう
3) 辞書を引くのは、本を読み終えてからと決めて、できるだけ引かない
これで大丈夫なの?と戸惑いがあるかもしれませんが、それは今までの英語教育の常識に囚われているからです。100%正しく読む精読をする必要はなく、多読を続けるためのコツは「楽しくスラスラ読む」です。
多読する量は、まずは30万語、次に100万語読むことを目指しましょうと英語多読研究会は教えています。実際に30万語くらいで英語脳が出来ていることを実感できましたので、目安として正しいと自らも思いました。
また100万語多読法の効果が高い理由を以下のように答えています。
1)楽しいから飽きない
2)自分のペース・好みによって本が読める
3)今までの英語学習に比べて、10倍から1000倍の英文に触れることができる
英語にたくさん触れれば、無理に暗記をしなくても自然に英語は理解でき、書いたり話したりできるようになるのです。
100万語近く読み続けた実践者として、英語脳が鍛えられるとまさに読んだら読んだ分だけ単語や文章(フレーズ)を自然と覚えいくことを実感しました。
また繰り返しになりますが、沢山の本、それも英語の本が読める機会にもなるので本好きには取り組みやすい勉強法であることを心の底から思います。
例えば、読みやすさレベル2.4で書かれた内容ではありましたが、クリスマス・キャロルやガリヴァー旅行記を英語のまま読めたときは、嬉しい気持ちになったものです。
英語多読本の入手方法
英語の多読本の主な入手方法は、以下の3つです。
- 図書館
- 全国のブッククラブと多読を取り入れている英語教室一覧
- ネットショップ(電子書籍含む)
肝心の本は、実際のところまだまだ本屋で購入することは難しく、購入する場合は、ネットで注文するのが一般的です。とはいえ、沢山の本を読む勉強法ですから、それなりに購入費用がかかってしまいます。特にはじめのうちは分量も少ない、やさしい本なので、次から次へと購入する必要があります。
コメント:長期間で考えれば英会話スクールより安い気がしなくもありません
ですので、最初のうちは図書館を利用することをおすすめします。貸し出し期限があるのも勉強するという意味では前向きに働きます。
特に最近では、NPO多言語多読による活動により多読コーナーを持つ図書館が増えていると聞いています。
▼詳しくは、英語多読のサイトを見てください
図書館を調べる際は、ページ下部の方にある「英語多読者向け図書館・書店マップVer.3」をクリックすると地図から探すことが出来ます。
私は、西新宿にあるSEGブッククラブにアクセスしやすいところに住んでいるため、こちらの社会人ブッククラブに加入して本を借りていました。読みやすさレベル3近くになると一冊一冊が十分な読み応えになるので、今では電子書籍で買う機会が増えています。
多読する際は特にメモをするわけでもなく、何冊か持ち歩くとそれなりの荷物になります。ですので、英語多読に関しては紙の本よりも電子書籍のほうが相性がいいのではないかとは思います。
英語のまま本を読める日を目指して
どれだけ翻訳技術が進んでも、英語を母国語のように使えるようになれば人生の幅も格段に上がることでしょう。
特に本好きな人にとっては、英語の本をそのまま読めるようになることで楽しみが増すのではないでしょうか。例えば、翻訳が合わずに途中で読みたくなくなるということもなくなります。
しかも、英語の本を読み続けることで英語を身に付けれるのであれば、始めない理由はないように思えます。実際、私は英語多読の勉強法を知ってすぐ始めました。
もしこの記事を読んで頂き興味を持った方は、是非、1,2冊多読に関する本にも目を通して納得できるようであれば是非、初めてみてはいかがでしょうか。
▼多読を知って、はじめる切っ掛けになった本はこちら
▼英語多読の読書記録と洋書選びの参考にしている本はこちら
英語の本を楽しめるbooklifeが待っていますよ。