
こんにちは。みたっくす(@book_life_net)です!
booklife(ブックライフ)では、「本のある生活」を目指して、本と触れ合うきっかけや本のある楽しい日常を発信しています。
要らなくなった本の引き取り額をそのまま寄付できるサービスがあることをご存知でしょうか?
それも寄付先は、新型コロナウイルスの対応における医療従事者向けや貧困や教育といった社会課題の解決など様々あり、買い取り業者が提携している支援団体先を自らで選択することができます。
昨今、身近な課題から大きな課題まで、社会の一員として自ら行動をしていかなくては変わらないということを痛感している人も多いのではないでしょうか。一方で、日本では欧米に比べ寄付をする習慣が根付いていないため、寄付をしたくてもどのように行動をしていいのかわからないという方も多いと思います。
そこで今回は、だれでも気軽に始めることができる本を処分するという形での寄付についてご紹介します。実は部屋を片付けるということが、世の中を良くする行動につながるのです。
Contents
変わりつつある寄付マインド
日本ファンドレイジング協会の「寄付白書2017」によると、2016年の日本の個人寄付平均額は27,013円と書かれています。
年間で1人当たり約2500円。
一方、比較するべきことかわかりませんがアメリカ人の年間平均額は、13万円です。毎月1万円以上寄付していることになります。
それでも2010年の日本の個人寄付総額4,874億円に対し、2016年には7,756億円と7年間で1.59倍に成長しています。(出典:寄付白書2017)
さらに昨年、「コロナ給付金プロジェクト」が立ち上がり、その寄付額は2021年5月8日現在で約3億6千万円になっており、このプロジェクトをきっかけに寄付をしたという方もいるかも知れません。
寄付という活動を通して社会を良くしたい、本当に困っている人を助けたいという行動の現れが増え続けている。そのように受け取ることもできるのではないでしょうか。
一方で、「コロナ給付金プロジェクト」のような形で、社会の注目も集めつつ寄付できる形というのは決して多くは有りません。また増え続けているとはいえ寄付するという行為が浸透していない社会において、どのように寄付をしたらよいかわからないという不安を抱えている方も少なからずいるのではないでしょうか。
そんな人に検討していただきたいのが本の処分による寄付の形です。
「本」で寄付するサービス
昨今、自治体やNPO/NGO団体、それに大学などが本の買取業者と連携し、売却益を寄付してもらい、地域や社会課題を解決する費用に充てるサービスが増えてきています。
つまり不要になった古本の引き取り金額がそのまま寄付に当たり、社会貢献ができるという仕組みです。
寄付する先も多いところでは200件近くの中から選べるので、貢献したい課題に対して選択できるのも特徴です。
以下にて主なサービスを紹介しますので、詳しくは各サービスをチェックしてみて下さい。
本で寄付する“チャリボン”
わたしたちの仕事は、全国から本を集め、次の読者へお届けすること。
あるNPO団体の代表がこんなことをいっていました。
「お金を寄付してもらうのは大変だ」と。確かにそうだなと思いました。
でも、お金じゃなくて「本」だったらどうだろう。
わたしたちなら本をお金に変えられる。
価値のある本を集めることで、ファンドレイジング(寄付集め)のお手伝いができるんじゃないかと考えました。
それが、charibonのはじまりです。
古書ネット売買のバリューブックスが手掛けているサービスです。
寄付できる支援先は、2021年5月8日現在で172団体あります。
数が多くて寄付先に悩んでしまいそうですが、「自由に学び、楽しむ環境を整える」「貧困のない世界を目指して」など項目別から絞り込んで探すことができます。
また各支援先ページには、具体的に○○円集まったらできることが記載されているので、寄付金がどのような形で具体的に使われるかがわかります。
こうした詳細の説明のおかげで寄付する側はわかりやすく、判断しやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。
ちなみにこれまでの支援実績は、
総額:581,825,738円
寄付した人:239,494人
と今回紹介するサービスの中で最大規模となるを買い取り額を寄付しています。
キモチと。
お金ではなくリユースではじめるクラウドファンディング
ご存じの方も多いブックオフコーポレーションが手掛けるサービスです。
サービス内容はほぼ同じですが、寄付という言葉ではなく、クラウドファンディングという形で展開しています。
WEBサイトをみると、たくさんのプログラムが一覧に並んでおり、詳細ページでは各プログラム団体の思いや実現したいことが記載されています。
寄付したくても目的や成果がはっきり「見えない」ことが、寄付をためらう理由になっている人もいるのではないでしょうか。
その点において「チャリボン」や「キモチと。」のように目的や成果が「見える化」されていることで支援しやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。また現在集まった応援金額が掲載されていることも寄付を後押しするように思われます。
現在、支援先は教育やアートといった新型コロナで影響を受けて困っている団体もあります。
もったいない本舗
古書などの売買サービス「もったいない本舗」では、これからの日本を創る子供たちと、失われつつある緑への寄付を中心に行っています。
最近では、2019年10月31日に火災でそのほとんどが消失してしまった「首里城再建の寄付」を、2021年2月には「新型コロナウイルスの対応における医療従事者向けの寄付」を寄付先として追加しています。
ブックサプライ
世界中の子どもたちへのワクチン支援や難病と戦っている子どもたちなど子供への支援を中心に寄付を行っています。
サイトにはレポートや寄付証明書などがしっかりと「見える化」されています。
世界中の子供たちへの支援を考えている方はチェックしてみてください。
リサイクル基金 きしゃぽん
古本募金で母校を支援を掲げていることから大学などの学校を中心に151の団体から支援先を選ぶことができます。母校に支援をしたいとお考えの方はチェックしてみるとよいでしょう。
本で寄付の仕方と注意点
どのサービスも基本的には古本をダンボールに詰めて指定の場所に郵送します。査定結果の金額を指定した団体へ寄付してもらえます。

引用元:チャリボン 利用ガイドページ
詳しいやり方については各サイトを確認してみてください。
なお、どのサービスでも買取ができない本があることに注意が必要です。
ISBN(国際標準図書番号)がない本であったり、買取価格がつかない本であったりとその基準はサービスごとに異なります。

引用元:チャリボン 利用ガイドページ
自宅にある本をなんでも送れば寄付になるというわけではないということは覚えておきましょう。
本で寄付することについて
寄付というと一方的にお金を渡す行為と思われがちですが、実はそのお金は循環しているだけでいつかいろんな形で返ってくるものです。
例えば、寄付に関してこんなお話を聞いたことがあります。
日本人が投資や寄付をあまりやりたがらないのも、自分と社会との一体感がなく、「自分の財布は自分だけのものだ」と考えているからではないでしょうか。
仮に1万円を寄付するとします。
すると、手元からは「1万円札」がなくなります。喪失感があるかもしれません。
けれど、もし寄付先との間に共有感があって、心理的につながっているのであれば、1万円は移動しただけで、「減っていない」ととらえることもできるはずです。
自分も他人もすべて一緒であり、何事も世の中のためになると思えば、投資や寄付も快くできるはずです。
お金を寄付した際には手元からお金がなくなるのは事実なので、このお話に実感が持てない方もいるかも知れません。しかし、お金ではなく本だったらいかがでしょう。
売った本が欲しい人へと渡り、またその人が売ればまた渡りという形で循環し、そうした本を読んだことがきっかけとなって新しい本が生まれて、また読む機会があると考えるとイメージできるのではないかと思います。
それはお金も一緒なのです。
つまり本を売って寄付するということは、本は欲している人へと渡り、さらに引き取り額は寄付という形で必要としている人たちへの届くという好循環が生まれるきっかけになるのではないでしょうか。
もし読んでいない本があって、処分を検討しているのであれば、今回紹介したサービスを利用して積極的に社会に貢献してみましょう。