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【読んだ本】『銃・病原菌・鉄』や『世界を変える寄り道』など|2022年1月号

2022年1月30日

銃・病原菌・鉄や世界を変える寄り道
こんにちは、みたっくすです

2022年1月に読んだ本を紹介します。人の歴史に興味を持っていたような1ヶ月でした。

ジャレド ダイアモンド氏の著書は、このまま全作品コンプリートしそうな勢いでハマりました。ただ知識を得るだけでなく、多くの学問を学ぶことで人生の幅が広がることを実感することができる点が氏の作品の魅力なのかなと。

2022年1月に読んだ本が皆さんの読書の参考になれば幸いです。

『銃・病原菌・鉄(上・下) 1万3000年にわたる人類史の謎』

「なぜ、世界のある場所ではテクノロジーや文明が早くから発達し、他の場所ではそうではなかったのか」
こうした人類史の壮大な謎解きを一緒に追いかけていくような作品でした。

病原菌というキーワードを含んでいることからコロナ下において再注目を浴びた本ではありますが、ピュリッツァー賞、国際コスモス賞、そして朝日新聞「ゼロ年代の50冊」第1位を受賞した名著として評価されています。

なにより著者のジャレド ダイアモンド氏の多くの学問の最新知見を縦横に駆使するだけでなく、フィールドワークを実践して謎に挑むそのアプローチも見どころ満載です。

ジャレド ダイアモンド氏の作品は、どれも壮大な歴史の謎を明らか雨にし、未来への示唆を与えるものが多いです。それでいてどれも結論はシンプルなところも興味深く、さらに研究の過程があまりに示唆に富んだものですので、『銃・病原菌・鉄』以外もおすすめです。

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『世界を変える寄り道 ポケモンGO、ナイアンティックの知られざる物語』

読みながら思い出したのは、元メジャーリーガーのイチロー選手がインタビューで答えた一言。

ポイント

無駄な過去はない。失敗がないと深みがない。遠回りが一番の近道。

 

ポイント

無駄なことをしないと合理的になれない

 

そして、この言葉が出てくる背景に、スポーツ選手だけでなく「タイパ至上主義(タイムパフォーマンスがよい行動を取ること」が進んでいるのも関連しているのかもしれません。

世界中を熱狂させ、人々の行動様式にも影響を与えたゲームを作り出した著者の半生も「寄り道」の連続だったといいます。そうした生き方が、手掛けるサービス設計にも反映している話もあり、人生論からサービス作りまで参考になる内容です。

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『二宮翁夜話』

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二宮 尊徳(金次郎)といえば、薪を背負って、本を読みながら歩く銅像のイメージを持っている人も多いと思いますが、実際に何をしていた方という詳細まで詳しい人は多くありません。

この本に出会うまで、私のその一人でした。それが本書通じて印象は大きく変わり、今まで知らなかったことを後悔したくなるほどの衝撃を受けました。

特に今では表立って言う人が少なくなっている気がしますが、二宮尊徳は、「徳」を重んじる生き方を説きます。

世の中で「反知性主義」が進む中で、その対極にある「徳」を忘れてはいけないと、夜話を通じて教えていただける、そんな本です。

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『気軽に読みたい人のための 「報徳記」 上・下巻』

尊徳の女婿にあたる門人 富田高慶が記した二宮 尊徳(金次郎)の伝記です。『二宮翁夜話』と合わせて読むことで、より二宮 尊徳という人を知ることができます。

報徳記というタイトルが付いているように、徳に報いる道を二宮 尊徳は説いていました。

そのような教えや考え方を実感できるエピソードは、数えられないほど多いです。

荒地は、荒地の力で拓きます。貧しさは、貧しさで救済いたします。いずれも、資金などを直接投下することはいたしません。
他の皆は、仕事の易しそうな場所を選んで、開拓した面積の多さを示そうとするのに、あなたは自分の功績が表に現れることを望まずに、他の皆が嫌う木の根を堀り、怠けずに努力をししていました。

Kindle Unlimitedで無料で読めることから選んだ本ではありますが、そもそも現代語訳された『報徳記』は少なく、翻訳者の尊徳への熱意が込められた1冊となっています。

『Ngorongoro クレーターに生きる野生の家族』【写真集】

「ンゴロンゴロ」と呼ばれる、独自の生態系が形成されているタンザニア北部の自然保護地域の1つで撮られた貴重な写真集です。

また『Ngorongoro』の中では、高精細FPVドローンを使い、広角レンズをつけたカメラで近寄るという大胆な撮影が可能となったことで、ダイナミックな今までない写真表現をしている点でも貴重な作品に仕上がっています。

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『旅人 ある物理学者の回想』

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日本初のノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹氏(以下、湯川博士と称する)の前半生を綴った回想録です。27歳までの本人の記憶や周りの人たちの記憶をたどりに文学表現豊かに表現されています。

湯川博士は、父親が学者ということもあり、家には様々な方面の本が置かれており、幼少期からそれらを読み漁って育ちました。トルストイといった外国文学もあれば、漢文学、和歌などその幅は広く、小学生にあがる頃の愛読書が『太閤記』と書かれていますから、よほどの読書家であったことが伝わってきます。

その濫読ぶりに驚く人も多いかもしれません。

そして本人は、少年時代の濫読に対して、以下のように振り返っています。

(前略)一方では有朋堂文庫を読み、外国の大小説を読み、そして一方では立川文庫を読む。考えてみれば、これこそ濫読である。(中略)少年の意欲は、それが固定されていないだけに、何ものに対しても敏感なのだ。間近にあるものは、何でも自分のものにしてしまいたい。吸収するだけのものを、吸収する。それが次第に整理された、その人の向かうべき方向に、次第にまとまってくる。こんな風にして、その人の中に人格とか個性とかいうものが確立されてくるのではなかろうか。(後略)

この言葉の通り、興味のままに本を読んで育っていく中で、やがて運命のいたずらもあってか物理学の方へと興味が移っていき、打ち込むことに至ります

その時は未知の世界ではあっても、興味のままに本をたくさん読むこと、その根源には好きなことに没頭していった先には、きっと道が見つかるということを教えてくれる素敵な作品です。

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