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2021年6月の本棚 | 『華氏451度』『たんぽぽのお酒』など

『華氏451度』『たんぽぽのお酒』

こんにちは、みたっくすです。

booklife(ブックライフ)では、「本のある生活」を目指して、本と触れ合うきっかけや本のある楽しい日常を発信しています。

映画『マイ・ブックショップ』

本屋を開きたい!

そんな願望を叶えた1人の女性の物語が、映画になっているのはご存知でしょうか?
『マイ・ブックショップ』というその名前の通りの映画は、1959年英国の本屋のない海辺の小さな町が舞台となっています。

いざ、本屋を開くとしたらどんな店構えで、どんな本を揃え、どのように本棚に飾るのか、考えるだけでワクワクしてきますよね。作中でも本屋をオープンに向けて準備をすすめる女性の姿から幸せがにじみ出ているのを感じることができます。

一方で、物語が後半に進むにつれて、本屋を持ちたという願望が崩れ落ちるような現実を突き付けてくる映画でもあります。

時代背景を考慮すれば仕方ないと納得できることも多いのですが、幸せな本屋を期待して観るとことはおすすめできない作品です。

ただし、この作品は、本屋としての役割、また本を届けることの意味を多くのシーンを通じて考えさせてくれます。

『華氏451度』

例えば、作中にレイ・ブラッドベリの本が出てくるシーンが何度かあります。

日に日に大切な人へと変わっていく読書家の老人のために店主の女性が最初に選んだ本のシーンでは、『華氏451度』が映ります。

私は、『華氏451度』は読んだことはないのですが、「禁書された世界で、所有している本は燃やされる」といった恐ろしい概要は聞いたことがありました。そんな内容の本なのになぜ読書家の老人に向けてこの本を選んだのか?ましてや最初に選書をするシーンでの話です。

そこには読書家は、この本を読んだ時にどのように思うのか、考えを聞いてみたいという店主の願望が込められていたのかもしれません。(もちろん映画の内容とリンクする意味の役割もあるとは思います。)

それならばと私も、とポチッと買うしかないだろうとフランソワ・トリュフォー監督によって映画化もされた『華氏451度』を本棚の一員に迎え入れました。

『たんぽぽのお酒』

もう一つの印象的なシーンは、『たんぽぽのお酒』の本が映し出されたときです。

前述した読書家の老人のために届けたいのに届けることが出来なかったシーンで登場した、明らかに大切な1冊だとわかる本です。この本を渡そうとした彼女は、どのような気持ちだったのだろうか?と思わざるを得ませんでした。

ましてや「たんぽぽの花言葉」を検索して調べてみると、そこには「愛の信託」や「真心の愛」と書かれていました。そういうことだったのかも!と思い、本を通じたこうしたやり取りをしてみたくなってしまいました。

『たんぽぽのお酒』を手元においておき、いつか使うときもあるかもしれないと、本棚に「ラブレター」として仕舞いました。

『ロリータ』

3つ目の印象的なシーンは、ウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』の販売をはじめたことです。

この本は「出版当時はポルノ文学との評価も受け、5ヵ国で発売禁止処分を受けた」本です。それを小さな町の本屋が、大量に仕入れることを決意し、販売を開始しました。

そして、『ロリータ』は町の人々の関心を集めることに成功します。

本屋に限らずお店を経営している人であれば、この仕入れの決断がどれだけ大変だったかわかるのではないでしょうか。きっとこの本を街の人たちに読んでもらいたいという強い思いがもあったのでしょう。本屋の店主であれば胸が熱くなるシーンだったのではないかと想像してしまいました。

ちなみに『ロリータ』は、今ではアメリカ文学の古典とも言われています。またスタンリー・キューブリックが監督し、映画化もされています。

『華氏451度』同様、読んだことがなかったので、ポチッと購入し、本棚に並べることにしました。

『マイ・ブックショップ』を見よう

今月の本棚は、『マイ・ブックショップ』の一つ一つのシーンに大きく影響をうけて購入した本が中心となりました。

とはいえ、『マイ・ブックショップ』で見たイギリスらしい霧が掛かった暗い風景に影響されたのか、それとも梅雨が始まり、じめじめとした室内にいる時間が多いせいか気分が晴れないことが続く6月です。

こんなときのためにamazonの「欲しいものリスト」に追加していた、同じ本屋でも本を売り歩いたと言われている行商人の話『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』を本棚へと追加しました。

7月に向けて開拓していく気持ちを欲していたのかもしれません。

▼『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』の書評はこちら

モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語
『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』本を売るだけが商売ではない

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▼『マイ・ブックショップ』の映画評はこちら

マイ・ブックショップ
映画『マイ・ブックショップ』 本屋を舞台に繰り広げられる心揺さぶる物語

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※Amazon Prime Videoで『マイ・ブックショップ』を見よう

2019年3月に公開されてから2年以上が過ぎていることもあり、Amazon Prime Videoを始め、動画配信サイトを通じて観ることができます。
→『マイ・ブックショップ』はこちら

2021月6月の購入本

・レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書)

・悲しき熱帯 上

・悲しき熱帯 下

・快楽について (岩波文庫)

・新しい中世 相互依存の世界システム (講談社学術文庫)

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